大阪・広告マンガ展2026に参加した広告漫画家・筑濱プロダクション(chiku)の公式紹介ページです。
展示作品の解説、制作背景、広告マンガの効果について詳しくまとめています。
イベントタイトル:大阪・広告マンガ展2026 「伝えたい想い」をマンガで「伝わるカタチに」!
開催日時:2026年3月10日(火)~13日(金)12:00~17:00
会場:collabolab(大阪市中央区本町橋2-5 マイドームおおさか1F)
入場料:無料
主催:クリエイティブネットワークセンター大阪メビック
大阪・広告マンガ展実行委員会
展示作品・マンガ家・事業者(新規事業)の詳細はこちら
※令和7年新規事業展開テイクオフ支援事業
【イベント概要】 大阪のクリエイター支援拠点であるメビックと、大阪・広告マンガ展実行委員会は、2026年3月10日(火)から13日(金)にかけて「大阪・広告マンガ展2026」を開催しました。
大阪を拠点とするプロのマンガ家が、地元企業のビジネス課題を「広告マンガ」で解決する実践プロジェクトの成果発表の場となりました。漫画家が娯楽としてのマンガの枠を超え「広告マンガの価値を広め、新たな市場を開拓すると共に、地元の企業を応援したい」という想いで発案したものです。、企業の販路開拓を後押しする「実用的なビジネスツール」としての可能性を提示するため、マンガ家が主体となって企画し、10名のマンガ家と12社の企業が参加しました。
展示会場の様子
広告マンガっていうと、どうしても「ここ最近生まれた新しい広告手法でしょ?」なんて思われがちだ。 でも、実はそうじゃない。マンガを使って商品やお店の魅力を伝える文化は、この国にずっと昔から根付いている。今回は、その起源から現代までの歴史を紐解きながら、今回の展示が持つ“本当の価値”について、僕なりの考えを話してみたい。
江戸時代の乾物商の引き札。縁起物が描かれている
時計の針を江戸時代まで戻してみよう。当時の商人たちは、お店の宣伝のために絵入りの「引き札」を配っていた。商品を擬人化したり、お店の特徴を物語仕立てにしたり、時にはユーモアや風刺をピリッと効かせたりしてね。 絵師と商人がタッグを組んで生み出したこの文化は、まさに現代の広告マンガのルーツだ。「絵と物語で商品価値を届ける」という画期的なアイデアは、驚くことに江戸の町ですでに完成していたんだ。
時代が下ると、広告マンガは僕たちの大衆文化の中に深く、そして当たり前のように溶け込んでいく。 その筆頭が、雑誌の裏表紙でおなじみの「日ペンの美子ちゃん」だ。単なる広告でありながら、ちゃんとストーリーがあってキャラクターが成長していく。純粋に「読ませる力」があったんだよね。 中島らも氏が手がけたカネテツデリカフーズの広告シリーズも忘れられない。ユーモアと風刺が効いたコピーに漫画的な構成を掛け合わせることで、広告がひとつの“読み物”として見事に成立することを証明してくれた。
中島らもの広告マンガ。斬新なてっちゃんのお父さん(イメージ図)
そして1989年、求人情報誌『DODA』が創刊される。 求人誌でありながら、DODAは情報を“読み物”として届ける姿勢がとにかく強かった。イラストや漫画的な表現をどんどん取り入れて、仕事の魅力や職場のリアルな空気をビジュアルで伝えていったんだ。求人情報を「ただ見るもの」から「読むもの」へと変えたDODAの存在は、その後の広告マンガ文化に、間違いなく大きな影響を与えている。
中島らもの広告マンガ。斬新なてっちゃんのお父さん(イメージ図)
中しくみを漫画で分かりやすく表現
2000年代に入ると、雑誌や広告の 誌面はよりビジュアル重視になり、仕事の内容や職場の空気感を直感的に伝える手法として、マンガ的な表現がごく自然に受け入れられるようになった。僕たち読者は、この時代に「広告マンガを自然に楽しんで読む」という文化を、無意識のうちに身につけていったんだと思う。この豊かな土壌があったからこそ、後のSNS時代における爆発的な普及へとつながっていくわけだ。
公的な施設もマンガを活用!
SNSの時代に突入すると、広告マンガはかつてない拡散力を持つようになる。 「広告なのに、つい最後まで読んじゃう」 「漫画家の個性が、そのまま商品の魅力に直結する」 そんな新しい価値観が次々と生まれ、広告マンガは単なる「宣伝ツール」から、企業そのものの“人格”を伝える表現手法へと劇的な進化を遂げた。
2025年大阪・関西万博で漫画のイベントで一般催事に参加しました
そして今、2020年代。 広告マンガはついに一つの“文化”として扱われるフェーズに入った。展示会やイベント、さらには地域プロジェクトの場で、広告マンガが立派な「作品」として提示され、そこが企業と漫画家の新たな出会いの場として機能し始めている。もはや広告の枠を軽々と飛び越え、地域文化やクリエイティブ産業そのものを支える太い柱になりつつあるんだ。
こうして歴史の点と点をつないでみると、よくわかるはずだ。 広告マンガを「新しいかどうか」という物差しで語ることは、本質的じゃない。
江戸の引き札に始まり、昭和の国民的キャラクター、平成の求人誌文化、SNSでの爆発的進化、そして現代の「文化」としての広がり──。広告マンガとは、この日本という国で脈々と受け継がれてきた“物語広告”の、まさに最新形態なんだ。
だからこそ、今回の展示が持つ価値も、この壮大な歴史の延長線上にある。 広告マンガを一つの「文化」として堂々と提示し、そこで企業と漫画家が出会い、また次の新しい物語が産声をあげる場をつくり上げたこと。
それこそが、この展示が持つ“本当の価値”だと、僕は確信している。
今回の展示では、大阪の街を支える基幹産業の企業と出会い、その魅力をA3用紙1枚に「お弁当箱」のようにギュッと凝縮して描き上げました。
●北野鉄工さま: 創業60余年の職人魂が息づく「六角穴加工技術」を持つ企業
会場にお越しになられた北野社長
北野鉄工の広告マンガ
●豊田絲業さま: 世界屈指の「ガス焼き加工」技術を持つ企業
会場にお越しになられた豊田社長夫妻
2社とも制作するために、実際に工場を訪れ、機械の音を聴き、代々受け継がれてきた技術と想いに触れながら、「大阪のものづくりの歴史」を学び、それを漫画として表現したのです。
広告マンガは、単に企業の情報を伝えるだけのものではありません。 現場で感じた空気、職人の言葉、企業の歩んできた時間──。そうした“物語”を、漫画家が自分の目と心で受け取り、作品として描き返す表現です。2つ漫画作品をよくご覧いただくと主人公は社長です。
広告マンガと一緒に実物の商品も展示
北野鉄工さまの企業説明パネル
豊田絲業さまの企業説明パネル
素敵なPRマンガを制作していただきありがとうございました。
1枚でおさまるのかなと思ってましたが、とてもわかりやすく、見やすく楽しく仕上がっていて感激です。
今回の展示は、まさにそのプロセスを可視化する場になっていたと思います。 企業と漫画家が出会い、互いの世界が交差することで、新しい価値や物語が生まれる。
それこそが、広告マンガが持つ本質的な魅力であり、今回の展示が示した“本当の価値”だと僕は感じている。
2026年3月 chiku
☆メディア紹介